【令和4年改定】薬学管理料のイメージをつかもう【調剤報酬改定・医療保険制度】
『薬学管理料』ってなんかいろいろありすぎてよくわからないよ~~
『薬学管理料』は、まず大まかに3つの区分に分けて考えると、
頭が整理されるわよ。
まずは復習から~『調剤報酬』の公式のイメージ~
[調剤報酬の公式]:調剤報酬=調剤基本料+調剤料+薬剤料+薬学管理料
『調剤報酬』のイメージ図の、一番最後の『服薬指導』の部分が
『薬学管理料』になってたね!!
『薬学管理料』の大まかな分類
・『外来患者』に行うもの ・『在宅患者』に行うもの ・誰かを『支援』して算定するもの
上記の3つに区分して考えていくと、頭を整理しやすくなるよ!!
『外来患者』に行うもの
『外来患者』に行う『服薬指導』に対する『薬学管理料』は、業務をする薬剤師が
『一般薬剤師』なのか『かかりつけ薬剤師』なのかで、算定するものが変化するのよ。
『一般薬剤師』・『かかりつけ薬剤師』で算定する薬学管理料が変わります。
患者に『服薬指導』をして、『薬剤服用歴』(=薬歴)に、『服薬指導』で管理・指導した内容を書き込むことで算定できる報酬。(1~4と特例の、5つのプランがある。)
★ポイント★:他の『服薬指導』をして算定する薬学管理料の基本となる報酬。
『一般薬剤師』さんの『調剤後』にくっついてる『服薬情報等提供料』ってなに??
お薬を患者さんに渡した後に、薬局に電話がかかってきて、何かしらお薬の服薬の説明をした場面をイメージすると良いわ。
お家に帰った後、『服薬』に関する『情報提供』をして、フォローをすると算定できる『薬学管理料』よ。
ちなみに、患者さんだけじゃなく、お医者さんに対する 『情報提供』でもオッケイよ。
『かかりつけ薬剤師』さんだと、『服薬情報等提供料』って算定できないんだね!!
患者さんに携帯電話の番号まで教えないといけないのに、なんかかわいそう!!
『かかりつけ薬剤師』の業務内容には、『24時間体制のフォローアップ』というのが含まれているの。そのために薬局の開局時間外の連絡先を教えるのよ。
だから、『調剤後』のフォローである『服薬情報等提供料』は算定が出来ないのよ。
かかりつけ薬剤師指導料 = 薬剤服用歴管理指導料 + 服薬情報等提供料
『在宅患者』に行うものの前に:『地域包括ケアシステム』って?
『在宅医療』に関してまず意識しないといけないのは、国が『地域包括ケアシステム』という体制の構築を目指しているという部分ね。
『地域包括ケアシステム』ってなんかカッコイイ!!
ガ〇ダムとかに出てきそう!!
『地域包括ケアシステム』は、超高齢社会の日本の医療・介護の制度が崩壊しないようにと考えられた、最終兵器なのよ。
・いわゆる『団塊の世代』(1947~49 年生まれの人)の方が75歳以上の後期高齢者になるのが 2025 年。
・75歳以上になると、『要介護度』が急激に上がるということが分かっている。
⇒ つまり『医療』『介護』の両面で『中・重度』の高齢者がこれから急増していくということ!!
『中・重度』の高齢者 は、今まで『介護施設』または『病院』に入所・入院することで医療・介護の両面でサポートしてきていたの。
でも、日本の財政が厳しくて、もう新たに『介護施設』を増やしていく余裕がないの。
施設に入所出来ないなら、おうちにいないといけないね・・・
新型コロナの自宅療養みたいになっちゃう・・・
そこで最終兵器、『地域包括ケアシステム』の登場よ!!
『住まい』 から 30 分で駆け付けられる圏域(= 日常生活圏域 、中学校区くらい)に、 『医療』『介護』『予防』『生活支援』 がきちんと揃っている (=24 時間対応できる) 状態!!
⇒ つまり、『自宅自体を施設にしてしまおう!!』というのが 『 地域包括ケアシステム 』
そうか!!おうちが施設になったら、施設要らなくなるね!!
この図を見て貰ったら分かる通り、『地域包括ケアシステム』で『医療』が担当することで一番重要なのは『在宅医療』よ。
しかも、地域に散らばっている他の専門職の方々とも『多職種連携』を行いながらやっていかないといけないの。
『在宅患者』に行うもの
さて、やっと本題に入れるわ!!まずは、下の図を見て、『在宅患者』に行って算定できる『薬学管理料』のイメージをつかみましょう。
『地域包括ケアシステム』の中で出てきた、『多職種連携』を評価する報酬もあるわよ。
病院から『退院』するときに、多職種で『共同』で『指導』(カンファレンス)をするから『退院時共同指導料』だね!!多職種連携だ!!
なんか『計画』ってのがたくさんでてくるね・・・『計画』するってめんどくさそう・・・
この『計画』のおかげで良いこともあるのよ。普通、外来患者さんで処方箋を1回受け付けたら『薬学管理料』は1回しか算定できないでしょ?
でも、『在宅医療』だと、受け付けた処方箋に対して、複数回、在宅用の『薬学管理料』を算定することが出来るのよ!!
えっ!?1回じゃないの!?めちゃラッキーじゃん!!
でもそのためには、訪問する『計画』を立てる必要があるのよ。対象の患者さんは、『地域包括ケアシステム』で説明したように『中・重度者』が対象になってくるの。その人に対してどんな『服薬指導・管理・支援』が必要なのかを考えて、『月に何回訪問するか計画を立てる』のよ。
『計画内』の訪問と『計画外』の訪問
でも、計画通りに出来るとは限らないよ!!患者さんが突然体調崩すかもしれないし!!
ふふふ・・・さすが とりちゃん、いいところに目を付けるわね(笑)
そうなのよ・・・人生、計画通りになんていかないものよ・・・
ぱんだしだ、なんかあったの??
・・・とりちゃんにはまだ早いお話よ。。。
さて、気を取り直して、まず下のイメージ図を見てみましょう!!
そうか、『計画内』と『計画外』で算定できる報酬の種類が変わるんだね!!
なんか『介護保険』まで出てきちゃった・・・
なまえが違うし漢字たくさんだし、よくわかんなくて混乱してくるよ~~
『在宅医療』では、『介護保険』も関わってくるから注意が必要よ。
『要介護者』『要支援者』なのに、『医療保険』で算定しないように注意してね。
(『介護保険制度』について詳しくは、書籍『面白いほどよくわかる!介護保険制度』を参照してね🐼)
とりちゃんのための簡単に説明しておくわ。『医療保険』では、『在宅医療』を受ける患者の事を『在宅患者』というの。『介護保険』では、『居宅で療養している利用者』というの。
『在宅患者』を訪問して薬剤の管理・指導を行う=『在宅患者訪問薬剤管理指導料』
『居宅で療養している利用者』の薬剤の管理・指導を行う=『居宅療養管理指導費』
ということね。
『計画外』の訪問のやつには、『緊急』って入ってるね!!
あ、でも介護保険の方に『緊急』がないよ!!
『要介護者』『要支援者』で、『計画外』の訪問が必要になったら 放っておかないといけないのか・・・つらいよ・・・
放っておいてはダメよ(笑)
その場合は、『医療保険』の『在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料』を算定できるのよ。
な、なんだってーーーーー
社会保険の保険給付においては、重複してしまっている給付は片方しか行わないというルールがある!!これを『給付調整』と言います。
『在宅患者訪問薬剤管理指導料』 と 『居宅療養管理指導費』 は、『計画内』の訪問で算定する、内容も同じ保険給付なので、どちらかしか算定できないの。
『医療保険』よりもあとにできた『介護保険』が優先になるから、 『居宅療養管理指導費』 で算定するの。
でも、『計画外』の訪問の場合、そもそも医療保険にしか保険給付がないから、医療保険で算定すれば良いのよ。
よかったーー、おばあちゃん放っておかれちゃうかと思った―
ちょっとながい講義になっちゃったから、誰かを『支援』して算定する薬学管理料は、また今度説明するわね。
しだぱんだ、今日もありがとう!!げんきだしてね。
『面白いほどよくわかる!調剤報酬 薬学管理料編』は近日発売予定です🐼
この記事の内容をもっと詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
(2021年8月17日現在、発売中です!!)
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